インターネットに潜む危険と対策方法[その6]
P2Pファイル共有ソフトを利用した
著作権侵害に注意!
P2Pファイル共有ソフトとは?
「動画が無料で見放題」「好きな動画を保存できる」そんな便利なアプリやソフトを、軽い気持ちで使っていませんか?
実はそのアプリ、裏側では「P2P(ピー・ツー・ピー)ファイル共有ソフト」という仕組みが使われているかもしれません。
その場合、知らず知らずのうちに著作権侵害の「加害者」になってしまい、ある日突然、高額な損害賠償を請求されるおそれがあります。
「自分は詳しくないから関係ない」と思わず、ご自身とご家族を守るために、ぜひ仕組みと対策を知っておきましょう。
「もらう」と同時に「配ってしまう」仕組み
P2Pファイル共有ソフトとは、インターネットを通じて不特定多数の人とファイルを直接交換する仕組みのことです。有名なものに「BitTorrent(ビットトレント)」などがあります。
この仕組みの最大の特徴は、「ファイルをダウンロード(入手)すると、同時に他の人へアップロード(配布)してしまう」という点です。
あなたのパソコンやスマホが、世界中の人へファイルを配る「中継地点」のような役割を自動的に果たしてしまうものです。
知らないうちに「加害者」に
多くのユーザーは、「ただ動画を見たかっただけ」「保存したかっただけ」で、誰かに配るつもりはありません。
しかし、このアプリやソフトを使っている限り、あなたの意図とは関係なく、勝手に著作物(動画、マンガ、音楽など)をインターネット上にばら撒くことになります。
これは、著作権者の許諾なく行われる「著作権侵害(違法行為)」です。
著作権侵害による損害賠償請求が急増中
P2Pのネットワークに接続すると、通信記録(IPアドレス等)が残ります。
著作権者は、情報流通プラットフォーム対処法 (旧プロバイダ責任制限法)に基づき、この通信記録から「誰が契約している回線・通信か」をプロバイダに情報開示の手続きを行うことができます。
その結果、契約者の氏名や住所が特定され、高額な損害賠償を請求される事例が急増しています。
対策方法
意図せずトラブルに巻き込まれないために、以下の3つの対策をご紹介します。
「無料」「見放題」のアプリに注意する
公式の配信サービスではない、出所不明な「無料動画アプリ」や「保存ツール」には十分ご注意ください。
「P2P」や「トレント」という言葉が書いてなくても、裏側でその仕組みが動いていることがあります。
「違法なファイルをダウンロードしない・させない」ことが一番の対策です。
家族でルールを決める
契約者ご本人が使っていなくても、お子様や同居の方が「便利だから」とアプリやソフトを入れてしまうケースが報告されています。
- 「公式アプリ以外で動画を見ない」と約束する。
- ご家族のパソコンやスマホでは、勝手にアプリやソフトをインストールできない設定にする。
このように、ご家族全員でP2Pファイル共有ソフトのリスクを理解し、ルールを作ることが大切です。
機器の設定を確認する
パソコンだけでなく、Wi-Fiルータや外付けハードディスク(NAS)などの周辺機器にも注意が必要です。
一部の製品には、最初から「ファイル共有機能」がついているものがあります。
これらがONになっていると、パソコンを開いていなくても、24時間勝手にファイルを拡散し続けてしまうおそれがあります。
お使いの機器の説明書を確認し、不要なファイル共有機能はOFFにしましょう。
不安を感じた場合の相談窓口
P2Pファイル共有ソフトによるトラブルは社会問題になっており、公的機関も注意を呼びかけています。
「これって大丈夫かな?」と不安な点がある場合は、以下の窓口や参考サイトをご確認ください。
関連機関の注意喚起ページ
相談窓口
- 消費者ホットライン(独立行政法人国民生活センター)
- ※お近くの消費生活センター等をご案内します。
- IPA安心相談窓口(情報処理推進機構)
- ※ウイルスや不正アクセスなど、技術的なご相談窓口です。
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