オンラインゲームに必要な通信速度は?ジャンル別の目安と快適な通信環境
オンラインゲームのプレイ中に困るのが、ラグや回線落ちです。
大切な場面で画面が固まる、接続が途切れるといったトラブルは、できるだけ避けたいところです。
実は、オンラインゲームを快適にプレイするには、通信速度だけでなく、回線の安定性や操作が反映されるまでの応答速度も大切になります。
そのため、インターネット回線を選ぶ際は、通信速度の数値だけで判断せず、安定性や応答速度も踏まえた検討が必要です。
ここでは、オンラインゲームに必要な通信速度や応答速度の目安、ゲームのジャンルに適したインターネット回線、通信環境を改善する方法について解説します。
オンラインゲームに必要な通信環境
オンラインゲームのプレイ環境に関係する主な要素は、以下の3つです。
- 下り速度
- 上り速度
- Ping値
オンラインゲームを快適にプレイするには、通信速度の速さが重要視されがちです。しかし、下り・上りの通信速度だけでなく、データの応答速度を示すPing値も快適さを左右します。
いずれか一つの数値が極端に悪いと、画面が固まる、操作の反映が遅れる、接続が途切れるといったトラブルが起こり、快適にプレイできない可能性があります。
安定してオンラインゲームをプレイできる通信環境か確認するためにも、それぞれの数値が示す意味や役割を確認しておきましょう。
下り速度(ダウンロード速度)
下り速度は、インターネット上のデータをスマートフォンやパソコン、ゲーム機が受信する速さのことです。「ダウンロード速度」とも呼ばれ、Mbps(メガビーピーエス)やGbps(ギガビーピーエス)という単位で表されます。
オンラインゲームでは、ゲーム内の映像やキャラクターの位置情報、ほかのプレイヤーの操作情報などを受信する際に利用します。
下り速度が遅い環境では、ゲーム内の情報をスムーズに受信できず以下のような症状が起こる可能性があります。
- 画面の読み込みが遅れる
- ほかのプレイヤーやキャラクターの動きが途中で止まる
- 映像がカクつく
また、ゲームソフトや追加コンテンツ、アップデートデータのダウンロードにも時間がかかり、プレイを始めるまでの待ち時間の増加につながる場合があります。
上り速度(アップロード速度)
上り速度は、スマートフォンやパソコン、ゲーム機からインターネット上へデータを送る速さのことです。「アップロード速度」とも呼ばれ、下り速度と同じくMbpsやGbpsという単位で表されます。
オンラインゲームでは、キャラクターの移動や攻撃など、自分が行った操作の情報をゲームサーバへ送る際に上り通信を利用します。
上り速度が極端に遅いと、自分の操作情報をスムーズに送れず、操作内容がゲームに正しく反映されない、接続が不安定になるといったことがあります。
また、ゲームをプレイしながらライブ配信をする場合は、映像や音声を継続して送るため、通常のプレイよりも上り速度が必要です。
上り速度が不足すると、配信映像が止まる、画質が下がる、音声が途切れるといった症状が起こる可能性があります。
Ping値(応答速度)
Ping値は、パソコンやゲーム機から送った情報がゲームサーバへ届き、応答が戻ってくるまでにかかる時間を表す数値です。「応答速度」や「通信の遅れ」を確認する目安として使われ、ms(ミリ秒)という単位で表されます。
Ping値は、数値が小さいほどゲームサーバとのやり取りが速く、操作が画面に反映されるまでの遅れも少なくなります。
一方、Ping値が高いと、以下のような症状が起こることがあります。
- ボタンを押してからキャラクターが動くまでに時間がかかる
- 攻撃が当たったはずなのに判定されない
- ほかのプレイヤーが急に別の場所へ移動したように見える
特に、FPSやTPS、格闘ゲームなど、短い時間での判断や操作が勝敗に影響するゲームでは、Ping値が快適さを大きく左右します。そのため、オンラインゲームの通信環境を確認するときは、下り速度や上り速度だけでなく、Ping値も確認しておきましょう。
通信速度が速くてもPing値が高いと遅れが生じる
下りや上りの速度が十分に出ていても、Ping値が高い場合は、オンラインゲームを快適にプレイできるとは限りません。
通信速度は一度に送受信できるデータ量を示すのに対し、Ping値はゲームサーバとのデータのやり取りにかかる時間を示します。
例えば、道路の幅が広く、一度に多くの荷物を運べる状態でも、車がゆっくり走っていれば、荷物が目的地へ届くまでに時間がかかります。
同じように、通信速度が速く、一度に多くのデータを送受信できても、ゲームサーバとのやり取りに時間がかかると、操作がゲームに反映されるまでに遅れが生じます。
【ジャンル別】オンラインゲームに必要な通信速度・Ping値の目安
以下は、オンラインゲームに必要な通信速度とPing値の目安を、ジャンル別にまとめた表です。
| ゲームのジャンル | 下り速度の目安 | 上り速度の目安 | Ping値の目安 |
|---|---|---|---|
| FPS・TPS | 70Mbps以上 | 5Mbps以上 | 30ms以下 |
| 格闘ゲーム・ レースゲーム |
50Mbps以上 | 5Mbps以上 | 30ms以下 |
| MMORPG | 30Mbps | 5Mbps | 50ms以下 |
| シミュレーション・ カードゲームなど |
10Mbps | 1~3Mbps | 50ms以下 |
表の数値は、オンラインゲームを快適にプレイするための一般的な目安です。
ただし、実際に必要な通信速度やPing値は、ゲームタイトルや同時に参加する人数、接続先のサーバなどによって異なります。
また、通信速度の変動や、通信中のデータが一部失われるパケットロスが発生すると、ラグや接続の切断につながる可能性があります。
なお、現在の通信環境は、通信速度測定サイトで確認できます。時間帯によって結果が変わる場合があるため、複数回確認するとより正確です。
FPS・TPS
FPS・TPSは、相手を発見してから狙いを定めて操作するまでのわずかな遅れが勝敗を左右します。快適にプレイするには、以下の数値を目安にするとよいでしょう。
- 下り通信速度:70Mbps以上
- 上り通信速度:5Mbps以上
- Ping値:30ms以下
FPS・TPSの場合、特に重要になるのがPing値です。Ping値が高かったり変動が大きかったりすると、狙いを定めて操作した内容が正しく判定されない、相手の位置が急に移動したように見えるといった現象が起こりやすくなります。
格闘ゲーム・レースゲーム
格闘ゲームやレースゲームは、プレイヤーの操作を素早くゲームへ反映する必要があるため、通信の遅れがプレイに影響しやすいジャンルです。
快適にプレイするためには、以下の数値を目安にするとよいでしょう。
- 下り通信速度:50Mbps以上
- 上り通信速度:5Mbps以上
- Ping値:30ms以下
格闘ゲームやレースゲームでは、特にPing値の低さと通信の安定性が求められます。
Ping値が高かったり大きく変動したりすると、格闘ゲームでは、技を出す、相手の動きに対応する、距離を取るといった操作がすぐに反映されず、ボタンを押しても意図した動きにならないことがあります。
また、レースゲームでも、ハンドルやブレーキの操作がすぐに反映されないと、思ったとおりに車体を動かせず、操作に違和感が生じる可能性があります。
特にリアルタイムで対戦する場合は、通信速度だけでなく、Ping値が低い状態で安定しているかも確認しておきましょう。
なお、遅延や位置ずれは、ゲームサーバとの距離が遠いほど発生しやすいため、選択できる場合は、利用地域に近いサーバを選びましょう。
MMORPG
MMORPGは、複数のプレイヤーやキャラクターの情報をリアルタイムで反映する必要があるため、通信の遅れや不安定さがプレイに影響しやすいジャンルです。
快適にプレイするためには、以下の数値を目安にするとよいでしょう。
- 下り通信速度:30Mbps以上
- 上り通信速度:1~5Mbps
- Ping値:50ms以下
MMORPGでは、多くのプレイヤーやキャラクターが集まるレイドなどのコンテンツで、やり取りする情報量が増えやすくなります。
FPS・TPSほど低いPing値を求められない場合もありますが、Ping値が高かったり大きく変動したりすると、スキルの操作がすぐに反映されない、キャラクターの位置がずれて見えるといった現象が起こる可能性があります。また、通信が不安定な場合は、プレイ中に画面が止まったり、サーバから切断されたりすることもあります。
そのため、通信速度だけでなく、Ping値の変動やパケットロスが少ない、安定した通信環境を整えることが大切です。
シミュレーション・カードゲームなど
シミュレーションやカードゲームなどは、FPS・TPSや格闘ゲームと比べて、通信の遅れがプレイに影響しにくいジャンルです。
快適にプレイするためには、以下の数値を目安にするとよいでしょう。
- 下り通信速度:10Mbps以上
- 上り通信速度:1~3Mbps
- Ping値:50ms以下
ターン制のゲームや、一人で進める時間が長いゲームであれば、Ping値が多少高くても、プレイへの影響を感じにくい傾向があります。
ただし、リアルタイムでほかのプレイヤーと競い合うゲームでは、通信が遅れると、操作の反映や画面の更新に時間がかかることがあります。また、プレイ中に通信が切断されると、途中までの進行状況が保存されない、正常にゲームを続けられないといった可能性もあります。
そのため、通信速度の速さだけでなく、途中で途切れにくい安定した通信環境を整えることが大切です。
オンラインゲームに適したインターネット回線を比較
オンラインゲームで利用されるインターネット回線は、主に以下の4つです。
- 光回線
- ホームルータ
- モバイルルータ
- スマートフォンのテザリング
回線によって通信速度やPing値、安定性が異なるため、プレイするゲームに合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、各回線の特徴とオンラインゲームへの適性を比較します。
オンラインゲーム全般に向くのが光回線
光回線は、光ファイバーケーブルを利用してインターネットへ接続する固定回線です。
通信速度が速く、Ping値や通信品質も比較的安定しているため、オンラインゲーム全般に適しています。
特に、FPS・TPSや格闘ゲーム、レースゲームなど、わずかな通信遅延が勝敗に影響するジャンルでは、光回線が有力な選択肢です。
また、ゲームソフトやアップデートデータを短時間でダウンロードしやすく、家族が動画視聴やオンライン会議などで同時にインターネットを利用する環境にも向いています。データ通信量は原則として無制限なので、容量不足を心配する必要がありません。
ただし、光回線は、宅内まで光ファイバーを引き込む必要があるため、開通工事が必要になる場合があります。賃貸住宅で利用する場合は、管理会社に確認しておきましょう。
ホームルータはジャンルによっては快適
ホームルータは、コンセントにつなぐだけで利用できる据え置き型の端末です。光回線の工事が難しい場合や、インターネット環境を早めに整えたい場合に適しています。
通信環境が良好であれば、パズルゲームやカードゲーム、MMORPGなどを快適にプレイできる可能性があります。有線LAN接続に対応した機種なら、通信を安定させやすくなります。
ただし、データ通信にはモバイル回線を利用しており、電波状況によって通信速度やPing値が変動しやすい傾向があります。FPS・TPSや格闘ゲームではラグを感じることがあるため、安定性を重視する場合は、光回線を優先して検討しましょう。
モバイルルータは通信品質の影響を受けにくいゲーム向け
モバイルルータは、外出先にも持ち運べる小型の通信端末です。通信環境が良好であれば、パズルゲームやカードゲーム、シミュレーションゲームなどをプレイできます。
ただし、利用場所や電波状況によって通信速度やPing値が変動しやすいため、FPS・TPSや格闘ゲームにはあまり向いていません。
また、サービスによってはデータ通信量に上限があるため、ゲームのダウンロードやアップデートを行う場合は、速度制限の条件も確認しておきましょう。
テザリングは応急的な利用にとどめる
テザリングは、スマートフォンの回線を使ってゲーム機やパソコンをインターネットへ接続する方法です。固定回線の障害時や外出先で、一時的にオンラインゲームをプレイする際に役立ちます。
ただし、通信速度やPing値が安定しにくく、スマートフォンのバッテリー消費や発熱も増えるため、継続的な利用には向いていません。基本的には、ほかの回線が使えないときの応急的な接続手段として考えましょう。
なお、スマートフォンのモバイル回線でスマホゲームをプレイする場合は、電波状況が良好であれば、問題なく利用できることもあります。
オンラインゲームを快適にプレイする3つのポイント
インターネットの通信速度やPing値は、契約している回線だけでなく、接続方法や通信機器の性能、利用する時間帯などにも影響されます。
そのため、通信が安定しない場合は、すぐに回線を乗り換えるのではなく、接続方法や通信機器、利用環境を見直すことが大切です。
ここでは、通信速度やPing値を安定させ、オンラインゲームを快適にプレイするための3つのポイントを解説します。
有線LANで接続する
有線LANとは、ゲーム機やパソコンとルータをLANケーブルで直接接続する方法です。
Wi-Fiはケーブルを使わずに接続できる一方、ルータとの距離や壁、家具、電子レンジなどの影響を受けやすく、通信速度やPing値が変動することがあります。
一方、有線LANなら電波干渉の影響を受けにくいため、ラグや通信切断を抑えやすくなります。
通信速度が十分に出ていてもPing値が安定しない場合は、接続方法を有線LANへ変更してみてください。
ルータの設置場所やWi-Fi環境を見直す
有線LANでの接続が難しい場合は、Wi-Fiルータの設置場所や使用する周波数帯を見直しましょう。
Wi-Fiルータの設置に適しているのは、以下のような場所です。
- 家の中央に近い場所
- 床から離れた高い場所
- 周囲に壁や家具が少ない開けた場所
- 電子レンジやBluetooth機器から離れた場所
まずは、ゲーム機やパソコンまで電波が届きやすいように、Wi-Fiルータをできるだけ近く、周囲に障害物の少ない場所へ設置しましょう。
また、Wi-Fiは使用する周波数帯を切り替えることで、通信速度や安定性が改善する場合があります。主に利用される2.4GHz帯と5GHz帯の特徴は、以下のとおりです。
| 周波数帯 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4GHz帯 | 壁や床などの障害物に強く、遠くまで届きやすい。一方、ほかの機器と電波干渉が起こりやすい |
| 5GHz帯 | 通信速度が速く、ほかの機器との電波干渉が起こりにくい。一方、障害物に弱い |
ゲーム機やパソコンがルータの近くにある場合は5GHz帯、離れた部屋で利用する場合は2.4GHz帯を目安に使い分けましょう。
なお、Wi-Fiルータとの距離が遠い場合や、階や壁を隔てた場所で利用する場合は、中継機やメッシュWi-Fiの導入が効果的です。
IPv6(IPoE)対応の回線を利用する
夜間や休日など、インターネットの利用者が増える時間帯に通信速度が低下する場合は、IPv6(IPoE)対応の回線を検討しましょう。
IPv6(IPoE)は、従来の接続方法よりも回線の混雑を避けやすく、通信速度を安定させやすい仕組みです。
ただし、オンラインゲームによってはIPv4で通信するため「IPv4 over IPv6」に対応したサービスを選ぶ必要があります。
利用する際は、契約中のプロバイダとWi-Fiルータが対応しているか確認しましょう。
オンラインゲームの通信速度に関するよくある質問
オンラインゲームの通信速度については、必要な速度や測定方法など、さまざまな疑問があるでしょう。
ここでは、オンラインゲームの通信速度に関するよくある質問に回答します。
100Mbps以上あればゲームはさらに快適になりますか?
100Mbps以上あれば、多くのオンラインゲームを快適にプレイできます。ただし、速度がさらに速くなっても、操作の反応やラグが大きく改善するとは限りません。
プレイ中の快適さには、通信速度よりPing値や通信の安定性が影響します。
最大通信速度10Gbpsの光回線だとラグはなくなりますか?
最大通信速度10Gbpsの光回線を利用しても、ラグが完全になくなるとは限りません。
オンラインゲームのラグには、Ping値やパケットロス、ゲームサーバの混雑、Wi-Fi環境なども影響するためです。また、最大通信速度は理論上の数値であり、実際に10Gbpsで通信できるわけではありません。
ただし、10Gbps回線は複数人で同時に通信する環境でも速度に余裕を持ちやすく、ゲームやアップデートのダウンロード時間を短縮しやすいメリットがあります。
PS5・Nintendo Switch・PCで必要な通信速度は違いますか?
PS5・Nintendo Switch・PCで必要な通信速度に、大きな違いはありません。快適さを左右するのは機器の種類よりも、プレイするゲームのジャンルや通信環境です。
ただし、ゲームやアップデートの容量が大きいPS5やPCでは、通信速度が速いほどダウンロード時間を短縮できます。
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