10G(ギガ)のインターネットは必要?1Gとの違いや基準を解説
光回線の最大通信速度は、技術の進歩に伴い高速化が進んでいます。
現在では、最大通信速度10Gbps(10ギガ)のサービスも提供されており、従来の1Gbpsよりも通信速度の速いインターネットが利用できます。
最大通信速度が速いほどインターネットを快適に利用できそうに思えますが、実際には10Gbpsが必要になるケースはそれほど多くありません。
利用環境や周辺機器によっては、期待したほど速度が向上せず「料金だけ高くなった」と感じることもあります。そのため、10Gbpsを選ぶ前に、自分の利用目的や通信環境に合っているかを確認することが大切です。
ここでは、光回線の最大通信速度1Gbpsと10Gbpsの違いや、10Gbpsが必要になるケース、後悔しないための判断基準をわかりやすく解説します。
【結論】10Gbpsが必要になるケースは少ない
現在は動画配信サービスの普及やテレワークの増加により、自宅でインターネットを利用する機会が増えています。しかし、一般的な家庭で行う動画視聴やWebサイトの閲覧、オンライン会議などは、必要とする通信量がそれほど多くありません。
そのため、最大通信速度10Gbpsが必要になるのは、大容量データを日常的に扱うなど、一部の利用環境に限られます。
一般的な用途では1Gbpsあれば困らないことが多い
10Gbpsの光回線は非常に高速ですが、日常的なインターネット利用で通信速度を使い切る場面はほとんどありません。
用途ごとに必要な下り速度の目安は、以下のとおりです。
| 用途 | 快適に利用できる通信速度の目安 |
|---|---|
| Web閲覧・SNS | 1〜10Mbps |
| 動画視聴(HD) | 5〜10Mbps |
| 動画視聴(4K) | 20〜30Mbps |
| オンライン会議 | 10〜30Mbps |
| オンラインゲーム | 30Mbps以上 |
例えば、4K動画のストリーミング視聴に必要な通信速度は25Mbps前後、オンライン会議やWebサイトの閲覧、SNSの利用も数Mbpsから数十Mbps程度あれば快適に利用できます。また、オンラインゲームも通信速度そのものより、通信の遅延(Ping値)や安定性のほうが快適さに影響しやすいです。
このように、多くのサービスは10Gbpsもの通信速度を前提として設計されていません。そのため、一般的な家庭で利用する場合は、10Gbpsへ変更しても体感速度が大きく変わらない可能性があります。
1Gbpsと10Gbpsの光回線は何が違う?
1Gbpsと10Gbpsの光回線は、速度の数字だけでなく通信方式・必要な周辺機器・費用の面でも違いがあります。それぞれの違いを把握しておくことで、自分に必要なプランを判断しやすくなります。
なお、光回線の「最大通信速度」はベストエフォート(回線の理論上の最大値)であり、実際の通信速度は時間帯・プロバイダの設備・接続環境によって変わります。
10Gbpsのプランを契約しても常に10Gbpsが出るわけではないため、この点を理解したうえで比較することが大切です。
通信方式
一般的な光回線サービスでは、1本の光ファイバーを複数の利用者で共有する「PON方式」が採用されています。
1Gbpsと10Gbpsの光回線サービスで使われる光ファイバーは基本的に共通していますが、採用されるPON方式の規格が異なります。規格によって局舎側や利用者宅側の通信設備、データを伝送する規格が異なるため、利用できる最大通信速度に差が出てきます。
主なPON方式の規格と採用されている光回線サービスは、以下のとおりです。
| PON方式の規格 | 対応する光回線の 最大通信速度 | 主な採用サービス |
|---|---|---|
| GE-PON | 1Gbpsクラス | フレッツ 光ネクスト、光コラボレーションの1Gbpsサービス、auひかり ホーム1ギガ |
| G-PON | 2Gbpsクラス | NURO 光 2ギガ |
| 10G-EPON | 10Gbpsクラス | フレッツ 光クロス、光コラボレーションの10Gbpsサービス、auひかり ホーム10ギガ |
| XGS-PON | 10Gbpsクラス | NURO 光 10ギガ |
ただし、PON方式は、回線事業者やプランごとに採用される規格が決まっているため、回線を選ぶ際は、PON規格そのものよりも、サービスの最大通信速度や料金、提供エリアを確認することが大切です。
なお、10G-EPONやXGS-PON、G-PONを採用する光回線サービスは、GE-PONと比べて提供エリアが限られているため、契約前に対応エリアを確認しておきましょう。
必要な周辺機器
10Gbpsの通信速度を活かすためには、光回線だけでなく周辺機器も10Gbpsに対応している必要があります。どれか1つでも対応していない機器があると、その機器の性能が通信速度の上限になります。
主に確認したい機器は次の4つです。
①Wi-Fiルータ
10Gbps対応回線を利用する場合は、WANポートが10Gbpsに対応したルータが必要です。
1Gbps対応ルータを使用していると、回線が10Gbpsでも最大通信速度は1Gbps程度に制限されます。
②LANケーブル
LANケーブルには複数の規格があり、規格によって対応する最大通信速度が異なります。
| LANケーブルのカテゴリ | 最大通信速度(理論値) |
|---|---|
| Cat5 | 100Mbps |
| Cat5e | 1Gbps |
| Cat6 | 1Gbps |
| Cat6A | 10Gbps |
| Cat7 | 10Gbps |
| Cat7A | 10Gbps |
| Cat8 | 40Gbps |
LANケーブルがCat5eやCat6の場合、10Gbpsの光回線を契約しても通信速度は最大1Gbpsまでに制限されます。
また、Cat7やCat8はシールド(ノイズ対策)が施されているため、本来の性能を発揮するにはアース(接地)が必要です。そのため、オフィスやデータセンターなどノイズ対策が求められる環境で使用されることが多く、一般家庭では扱いにくい場合があります。
一般家庭で10Gbpsの光回線を利用する場合は、取り回しやすく、十分な通信性能を備えたCat6Aを選ぶのがおすすめです。
③パソコンのLANポート
パソコンで有線接続する場合は、10GBASE-T対応のLANポート(NIC)が必要です。
一般的なパソコンは1Gbps対応のLANポートを搭載していることが多いため、10Gbps通信を利用するには10Gbps対応LANカードやUSBアダプターを追加するケースがあります。
④スマートフォン・タブレット
スマートフォンやタブレットはWi-Fiで接続するため、端末が対応しているWi-Fi規格によって通信速度が決まります。
Wi-Fi 6やWi-Fi 7対応端末であれば高速通信が可能ですが、実際の通信速度は利用環境や端末性能の影響を受けます。
初期費用・月額利用料
10Gbpsプランは1Gbpsプランと比べて月額利用料が高く設定されていることが多いです。
プロバイダやサービスによって異なりますが、月額利用料の差は1,000〜3,000円程度になるケースがよく見受けられます。
加えて、10Gbpsに対応したパソコン、スマートフォン、ルータやLANケーブルへの買い替えが必要になる場合は、初期費用として数万円の出費が発生することもあります。
通信速度の向上による体感差が少ない用途であれば、必要以上の通信速度にコストをかけることになるため、費用対効果の面から慎重に判断するようにしましょう。
10Gbpsのプランを契約する前に、月額の差額と機器への投資を合計したトータルコストを試算し、自分の利用状況と照らし合わせて判断することをおすすめします。
10Gbpsが求められる用途とは?
一般的なインターネット利用であれば1Gbpsで十分なケースがほとんどですが、用途によっては最大通信速度10Gbpsの光回線が適している場合もあります。
ここでは、10Gbpsが求められる代表的な用途を紹介します。
動画配信や動画編集を頻繁に行う
YouTubeへの動画投稿やライブ配信を頻繁に行う場合は、10Gbps回線のメリットを感じやすいでしょう。
特に、4K・8Kなどの高画質動画を扱う場合は、アップロードするデータ容量が大きくなります。動画1本で数十GBになることもあり、頻繁にアップロードする方ほど回線速度の影響を受けやすくなります。
例えば、YouTubeへの動画投稿やクラウドストレージへのバックアップ、複数人での動画データ共有などを日常的に行う場合、待ち時間を短縮できる可能性があります。
また、クラウド上の素材を利用して動画編集を行うケースでも、大容量データの送受信がスムーズになるため作業効率の向上が期待できます。
一方で、動画視聴やSNS利用が中心であれば1Gbps回線でも十分な速度が確保できるため、10Gbps回線の恩恵を感じにくいでしょう。
大容量ファイルの送受信が多い
業務でサーバとの間で大容量データを頻繁にやり取りする方にも、10Gbps回線が役立つ場合があります。
例えば、設計データや医療画像、大規模なデータベースのバックアップなど、数十GB〜数百GBに達するファイルを日常的に扱う場合は、データの転送速度が業務効率に大きく影響します。
また、在宅勤務でVPNを利用して社内サーバへ接続し、大容量ファイルを送受信する場合も、高速回線によって転送時間の短縮が期待できます。
ただし、VPN接続時の通信速度は自宅の回線だけで決まるわけではありません。接続先サーバの性能やVPNサービスの仕様によって速度が制限される場合もあります。
そのため、10Gbps回線へ変更すれば必ず大幅な速度向上が得られるとは限りません。まずは現在の環境でどの程度の待ち時間が発生しているのかを確認し、そのうえでアップグレードを検討するとよいでしょう。
多くの端末で高負荷な通信を同時に行う
1つの家庭や事務所で多くの端末が同時に高負荷な通信を行う場合、1Gbpsでは帯域が不足することがあります。
複数人が4K動画のストリーミングを同時に視聴しながら、ほかの端末でオンラインゲームや大容量ファイルのダウンロードを行うような状況では、10Gbpsの帯域が余裕につながります。
さらにスマートホームデバイスや監視カメラなど常時通信する機器が多い環境でも、端末の総接続台数と通信量次第では10Gbpsへのアップグレードが選択肢になります。
10Gbpsにするべき?後悔しないための判断基準
10Gbpsへのアップグレードを検討している場合、以下の判断基準を参考にしてください。費用・用途・現在の環境の3点を整理したうえで判断することで、後悔しにくくなります。
現状の通信速度が遅くてストレスを感じる
現在の通信速度に明確なストレスを感じているかどうかが、最初の判断基準になります。普段使っていて遅いと感じる方は、速度計測サイトで現在の実測値を確認し、用途に対して速度が不足しているかを数字で把握してみましょう。
日常的な用途でストレスを感じているにもかかわらず、速度計測では十分な数値が出ている場合は、同時に接続している端末の数や、同時に発生している通信量が回線の帯域を超えている可能性があります。
そのような場合は、10Gbpsの光回線へアップグレードすることで、通信環境が改善する可能性があります。
動画編集や配信を仕事で行っている
動画編集や配信を業務として行っており、大容量データの転送が日常的に発生している場合は、10Gbpsの光回線を検討する価値があります。
通信速度が速くなれば作業時間を短縮でき、業務効率の改善につながります。
一方で、趣味の範囲での動画編集や月数回程度の投稿であれば、1Gbpsで対応できる場面がほとんどです。業務での必要性を明確にしたうえで判断することをおすすめします。
通信費よりも快適さを優先したい
月額料金や機器への初期投資を考慮したうえで、通信費よりも快適さを優先したいと考える方にとっては、10Gbpsの選択肢があります。コスト面での負担増よりも、通信環境の快適さを重視する場合に向いているためです。
ただし、10Gbpsの回線を契約しても、前述のとおり対応した周辺機器がなければ実際の速度は引き出せません。
契約前に自宅のルータ・LANケーブル・端末が対応しているかを確認し、必要に応じて機器の準備をしてから契約することをおすすめします。
迷ったら1Gbpsで様子を見る
10Gbpsへの変更を迷っている場合は、まず1Gbpsで様子を見ることをおすすめします。
1Gbpsのプランで実際に利用してみて、速度不足を実感したタイミングで10Gbpsへの切り替えを検討するほうが、不要なコストをかけずに済むでしょう。
多くのプロバイダでは1Gbpsと10Gbpsのプランを提供しており、途中でのプラン変更にも対応しているケースがほとんどです。
まずは費用を抑えた1Gbpsプランで運用し、必要が生じたときにアップグレードする方法が、後悔しない選び方につながります。
10Gbpsへ変更する前に確認したい通信速度改善のポイント
速度が遅いと感じている場合でも、10Gbpsへの変更前に現在の環境で改善できるポイントがあります。
回線プランを変更するよりも手軽に対処できることが多いため、10Gbpsへの切り替えを検討する前にまず以下を試してみましょう。
IPv6(IPoE)で通信を行う
PPPoE接続を利用している場合は、IPv6(IPoE)接続へ切り替えることで通信速度が改善する可能性があります。
PPPoE接続はNTTの網終端装置を経由して通信する仕組みのため、利用者が多い夕方から深夜にかけて速度が低下しやすい傾向があります。
一方、IPv6(IPoE)接続は網終端装置を経由しないため、混雑の影響を受けにくく、より安定した通信が期待できます。
そのため、現在の回線速度に不満がある場合は、まず契約中のプロバイダがIPv6(IPoE)やIPv4 over IPv6に対応しているか確認してみましょう。
Wi-Fiルータの性能や設置場所を見直す
通信速度が遅いと感じる場合は、まずWi-Fiルータの性能や設置場所を確認してみましょう。ルータの性能が不足していると、光回線自体は高速でも端末で体感できる速度が制限されることがあります。
特に購入から数年が経過した古い機種や最大通信速度が低い機種を利用している場合は、ルータの買い替えによって速度が改善する可能性が高いです。
また、ルータの設置場所も通信品質に大きく影響します。壁や家具に囲まれた場所、棚の中、電子レンジなどの家電製品の近くに設置している場合は、電波が弱くなり通信速度が低下することがあります。
そのため、ルータはできるだけ部屋の中央付近や障害物の少ない場所に設置しましょう。
Wi-Fiの周波数帯を切り替える
通信速度が遅いと感じる場合は、Wi-Fiの周波数帯を切り替えてみましょう。Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯があり、それぞれ特徴が異なります。
2.4GHz帯は壁や障害物に強い一方で、電子レンジやBluetooth機器などと同じ周波数帯を使用するため、電波干渉を受けやすい傾向があります。
一方、5GHz帯は電波干渉が少なく、比較的安定した高速通信が可能です。そのため、ルータと端末の両方が対応している場合は、5GHz帯のSSIDへ接続先を切り替えることで通信速度が改善することがあります。
ただし、5GHz帯は壁や床などの障害物に弱いため、ルータから離れた場所では電波が届きにくくなる場合があります。利用環境に応じて2.4GHz帯と使い分けることが大切です。
パソコンやスマートフォンの通信環境を確認する
通信速度が遅いと感じる場合は、パソコンやスマートフォンの通信環境も確認してみましょう。端末側に原因がある場合、回線やルータに問題がなくても通信速度が低下することがあります。
例えば、バックグラウンドで多くのアプリが通信していたり、OSやアプリのアップデートが実行されていたりすると、体感速度に影響が出ることがあります。
そのため、端末を再起動したり、使用していないアプリを終了したりして改善するか確認してみてください。
また、別のパソコンやスマートフォンでも速度を測定すると、問題が端末側にあるのか、回線やWi-Fi環境にあるのかを切り分けやすくなるので試してみましょう。
1Gbps・10Gbpsどちらも選べる「AsahiNet 光」
「AsahiNet 光」は、NTT東日本/西日本のフレッツ光回線を利用した光コラボサービスです。標準的な1Gbpsプランに加え、10Gbpsに対応したAsahiNet 光 クロスコースもあるため、利用状況に合わせてプランを選べます。
ASAHIネットは1990年代からインターネットサービスを提供してきた実績があり、接続設定やトラブル対応のサポート体制も整っています。
どちらのプランが自分に合っているか迷っている場合は、まず1Gbpsプランで運用を始め、必要に応じて10Gbpsへの切り替えを検討するとよいでしょう。光回線の新規契約や乗り換えを検討している方は、AsahiNet 光の料金プランや提供エリアを公式サイトで確認してみてください。