PPPoEとIPoEの違いをわかりやすく解説!性能・切り替え方も紹介
インターネット関連の用語は聞き慣れないものが多く、全体的に難しい印象があります。
中でも「PPPoE」や「IPoE」は、光回線サービスのWebサイトなどで目にする機会が多いですが、仕組みや違いまでは把握しづらいのが実情です。
「PPPoE」や「IPoE」を詳しく理解していなくてもインターネットは利用できます。ただし、通信品質に関わる要素の一つであるため、仕組みや違いについて確認しておきましょう。
「PPPoE」と「IPoE」は通信方式の違い
PPPoEとIPoEは、どちらもインターネットに接続するための「通信方式の一種」です。
インターネットは、決まった1つの方法で通信しているわけではなく、複数の仕組みの中から選んで利用されています。
PPPoEとIPoEはその代表的な方式で、現在の光回線では、どちらかの通信方式を使ってインターネットに接続しているケースがほとんどです。
光回線は、利用する通信方式によって、通信速度や安定性に違いが出る可能性があります。
快適にインターネットを利用するためにも、それぞれの特徴や違いを確認しておきましょう。
PPPoEの特徴
PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)は、光回線などの常時接続されているインターネット回線を使い、利用者ごとに個別で接続する通信方式です。
それまでは、接続のたびに通信を開始するダイヤルアップ(PPP)が使われていましたが、その仕組みを常時接続の環境でも利用できるようにした技術です。
従来の仕組みをそのまま活用できることから、PPPoEは多くのプロバイダで採用され、長年にわたって広く普及してきました。
PPPoEの大きな特徴は、利用者ごとにログインしてインターネットに接続する仕組みにあります。
このログインとは、「インターネットに接続するための許可をもらう処理」のことで、IDやパスワードを使って認証が行われます。
そして、ログイン情報をもとに接続を管理しているのが「網終端装置」と呼ばれるプロバイダの設備です。
PPPoEでは、網終端装置を経由して認証を得られなければ、インターネットを利用できません。
そのため、利用者が増えると網終端装置にアクセスが集中しやすくなり、通信速度の低下や遅延が発生しやすい特徴があります。
IPoEの特徴
IPoE(Internet Protocol over Ethernet)は、PPPoEの課題であった回線の混雑を解消するために登場した通信方式です。
PPPoEのように、IDやパスワードによる認証を行わず、回線側で自動的に接続が管理される仕組みのため、網終端装置を経由せずにインターネットへ接続できます。
そのため、網終端装置にアクセスが集中することがなく、よりスムーズにデータのやり取りが行われます。
結果として、利用者が増えても混雑の影響を受けにくく、通信速度や安定性を維持しやすいのが特徴です。
PPPoEとIPoEの違いをわかりやすく比較
PPPoEとIPoEの違いを、項目ごとに比較してみましょう。
| 項目 | PPPoE | IPoE |
|---|---|---|
| 接続方法 | ID・パスワードでログインして接続 | ユーザー操作不要(回線ベース) |
| 通信経路 | 網終端装置を経由 | 別経路(VNE等)を利用 |
| 通信速度・安定性 | 環境によって混雑の影響あり | 混雑回避しやすい構成が多い |
| 主な用途 | IPv4で多く利用 | IPv6で多く利用 |
- ※いずれも環境・事業者により挙動は異なります
より快適にインターネットを利用するためにも、それぞれの違いについて確認しておきましょう。
通信速度・安定性の違い
PPPoEは、網終端装置を経由してインターネットに接続するため、利用者が増えるとアクセスが集中し、特に夜間などの混雑する時間帯には通信速度が低下しやすくなります。
総務省が2021年5月に調査した集計結果によると、通信量がピークとなる時間帯は19時〜21時とされています。
また、PPPoEは通信のたびに一定の処理が発生するため、データのやり取りの効率がやや下がりやすい点も通信速度に影響しています。
一方、IPoEはログインを行わず、よりシンプルな仕組みでインターネットに接続します。データのやり取りも効率よく行われるため、通信速度を安定して保ちやすいのが特徴です。
このように、PPPoEは混雑の影響を受けて速度が低下しやすいのに対し、IPoEは混雑を回避しやすい仕組みによって、安定した通信速度を維持しやすいという違いがあります。
対応するインターネットサービスの違い
PPPoEとIPoEでは、利用できるインターネットサービスの内容や条件にも違いがあります。
PPPoEは従来から広く使われてきた接続方式で、多くの光回線サービスやプロバイダが対応しています。そのため、ほとんどのサービスで利用できるのが特徴です。
一方、IPoEは新しい接続方式で、主に「IPv6接続機能」や「IPv6オプション」といったサービスとして提供されています。
最近ではIPoEも普及が進み、対応するサービスが増えましたが、一部ではまだ未対応の場合もあります。そのため、利用するには事前に回線や機器が対応しているかの確認が必要です。
主に使われる通信規格(IPv4とIPv6)の違い
PPPoEとIPoEの違いを理解するうえで、あわせて知っておきたいのが「IPv4」と「IPv6」という通信規格の違いです。
IPv4(Internet Protocol Version 4)は、インターネットで長く使われてきた通信規格で、1990年代後半から広く普及しています。PPPoEでは、このIPv4が主に利用されています。
一方、IPv6(Internet Protocol Version 6)は、IPv4の後継として登場した新しい通信規格です。IPoEでは、IPv6が主に利用されるのが特徴です。
IPv4とIPv6の大きな違いは、利用できるIPアドレスの数にあります。IPアドレスとは、インターネットに接続された機器を識別するための番号のことです。
IPv4では約43億個のアドレスしか使えませんが、インターネットの普及によって不足が問題になってきました。
そこで登場したIPv6では、ほぼ無制限に近い数のIPアドレスを利用できるようになっています。
ただし、IPv4とIPv6はそのままでは互換性がなく、IPv6のみでは一部のサービスが利用できない場合があります。
この問題を解決するのが「IPv4 over IPv6」という技術です。これは、IPv6のネットワークを使いながら、IPv4のサービスも利用できるようにする仕組みです。
現在のIPoE接続では、この「IPv4 over IPv6」が使われることも多く、混雑を避けながら快適にインターネットを利用できるのが特徴です。
利用に必要な機器や環境の違い
PPPoEとIPoEでは、接続方法の違いにより、必要な機器や利用できる環境にも差があります。
PPPoEの場合は、ID・パスワードを設定できる一般的なルータがあれば利用できます。多くのルータが標準で対応しているため、特別な機器を用意しなくても、ほとんどの環境でそのまま使えるのが特徴です。
一方、IPoEを利用するには、「IPv6対応」や「IPoE対応」といった機能を備えたルータが必要になります。また、回線やプロバイダ側もIPoEに対応している必要があるため、事前に対応状況を確認しておくことが大切です。
このように、PPPoEは比較的かんたんに導入できるのに対し、IPoEは機器や回線の対応が必要になる場合があります。
PPPoEからIPoEへ切り替える方法
PPPoEからIPoEへの切り替えは、少し難しそうに感じるかもしれませんが、基本的なポイントを押さえればそれほど複雑ではありません。
ここでは、PPPoEからIPoEへ切り替える際の基本的な流れと、事前に確認しておきたいポイントについてわかりやすく解説します。
基本は自動でIPoEに設定される
IPoEへの切り替えは、PPPoEのようにIDやパスワードを設定する必要がなく、多くの場合は自動で適用されます。
対応している回線やプロバイダ、ルータを利用していれば、特別な操作をしなくてもIPoEで接続されているケースが多いです。
また、プロバイダによっては「IPv6接続機能」などのサービスを申し込むだけで、自動的にIPoE接続に切り替わることもあります。
ただし、すべての環境で完全に自動というわけではなく、ルータの設定を確認したり、機能を有効にしたりする必要がある場合もあります。
そのため、うまく接続できない場合は、ルータの設定や対応状況をチェックすることが大切です。
ルータ・パソコンの設定
IPoE接続を利用する場合、基本的にはルータ側の設定が中心となり、パソコンやスマートフォンなどの設定はほとんど必要ありません。
多くの場合、パソコンは初期設定のままで問題なく利用できるため、特別な操作をする必要はないケースが一般的です。
一方で、ルータについては、IPoEに対応していることが前提となります。
設定画面で「IPv6」「IPoE」「v6 コネクト」などの項目を有効にすることで、IPoE接続が利用できるようになります。
光回線がIPoEに非対応なら乗り換えを検討
IPoEは、光回線とプロバイダの両方が対応していないと利用できません。 そのため、利用している光回線サービスやプランによっては、IPoEが使えない場合があります。
特に古い回線サービスや一部の回線では、IPoEに対応していないこともあります。この場合、ルータを対応機種に変更しても、IPoEで接続することはできません。
より快適な通信を求める場合は、IPoEに対応した回線やプロバイダへの乗り換えを検討するのも一つの方法です。
PPPoEとIPoEの違いに関するよくある質問
PPPoEとIPoEの違いについては理解できても、「実際にどちらを選ぶべきか」「切り替えるとどう変わるのか」といった具体的な疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、通信速度や料金、利用シーンに関するよくある質問について、わかりやすく解説します。
PPPoEからIPoEに切り替えると通信速度は速くなる?
多くの場合、PPPoEからIPoEに切り替えることで、通信速度の改善が期待できます。
IPoEは、通信が特定の設備に集中しにくい仕組みのため、特に夜間などの混雑する時間帯でも速度が安定しやすいのが特徴です。
そのため、これまで「休日や夜になると通信速度が遅い」と感じていた場合は、速度が改善されるケースがあります。
ただし、光回線の通信速度は、回線の混雑状況や利用しているルータの性能、接続環境などにも影響されるため、必ずしも大きな変化を感じられるとは限りません。環境によって効果に差が出る点には注意が必要です。
PPPoEは使わない方がいいの?
必ずしも使わない方がよいわけではありません。PPPoEは互換性が高く、多くの環境で安定して利用できる実績のある接続方式です。
ただし、混雑する時間帯に速度低下が起きやすいという特性があるため、通信品質を重視する場合はIPoEの利用を検討するのがおすすめです。
オンラインゲームが快適に使えるのはどっち?
一般的には、IPoEの方が快適に利用できるケースが多いです。
IPoEは混雑の影響を受けにくく、遅延(ラグ)も安定しやすいため、リアルタイム性が求められるオンラインゲームに向いています。
そのため、「ラグが気になる」「動きがカクつく」といった悩みの改善が期待できます。
ただし、ゲームによってはIPv4接続が前提となっている場合もあり、環境によってはPPPoEの方が安定するケースもあります。
最終的な快適さは、回線の品質やルータの設定にも左右される点に注意しましょう。
月額料金は変わる?
基本的に、PPPoEからIPoEへ切り替えても回線の月額料金自体は大きく変わらないケースが一般的です。
ただし、光回線サービスやプロバイダによってはIPoE対応サービスが有料となる場合や、逆に無料で提供される場合もあります。そのため、実際の料金は契約している回線やプロバイダのプランによって異なります。
IPoE対応の「AsahiNet 光」でストレスなくネットを楽しもう
快適なインターネット環境を求めるなら、IPoE接続に対応した回線を選ぶことが重要です。
中でも「AsahiNet 光」は、IPv6接続機能に標準対応しており、混雑の影響を受けにくい安定した通信環境が特徴です。
従来のPPPoEと比べて通信が一箇所に集中しにくいため、夜間などの混雑しやすい時間帯でも速度が落ちにくく、動画視聴やオンラインゲーム、大容量のダウンロードも快適に利用できます。
また、IPv4 over IPv6にも対応しているため、これまでのWebサイトやサービスも問題なく利用できます。安定性と速度の両方を重視したい方にとって、「AsahiNet 光」は有力な選択肢のひとつです。
快適なインターネット環境を整えたい方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。