【2026年終了】ADSLとはどんな回線?仕組みや代替回線を解説
ADSLは、電話回線を利用してインターネットに接続する通信方式です。
既存の電話回線を利用して、定額料金で高速インターネットが利用できるサービスとして2000年代初頭に広く普及しました。しかし、光回線の登場などを背景に利用者が減少し、2026年時点で主要なADSLサービスは終了しています。
ADSLの新規契約ができなくなった一方で、現在は、光回線やホームルータなど、さまざまなインターネット回線が提供されています。
利用環境に適した回線を選ぶためにも、ADSLの特徴や、ほかのインターネット回線との違いを確認しておきましょう。
ADSLはどんな仕組みのインターネット回線?
ADSLは、1999年に日本で商用サービスが開始され、2000年代前半に急速に普及した通信技術です。
それまでのインターネット接続は、通信速度が遅く、接続時間に応じて料金が発生するという課題がありました。そのため、現在のように気軽にインターネットを利用できる環境ではなく、企業や一部の家庭を中心に利用されていました。
しかし、ADSLの登場によって、従来よりも高速なインターネットを定額料金で利用できる環境が広がりました。これにより、一般家庭での利用が急速に拡大し、インターネットを活用したサービスの発展も後押しされたのです。
ADSLは、いわば日本の家庭に高速インターネットを普及させた立役者といえるでしょう。
では、ADSLはどのような仕組みで定額制や高速通信を実現していたのでしょうか。ADSLの通信の仕組みや普及した背景、サービスが終了した理由について解説します。
電話回線の空いている帯域をインターネット通信に利用
ADSLは、電話回線のうち、音声通話に使われていない周波数帯をインターネット通信に活用する技術です。
ADSLが登場する以前は、電話回線を使ったダイヤルアップ接続や、デジタル通信に対応したISDNが利用されていました。それぞれの通信方式や速度を比較すると、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | ダイヤルアップ接続 | ISDN | ADSL |
|---|---|---|---|
| 通信方式 | アナログ電話回線を利用 | 電話回線をデジタル化して利用 | 電話回線の高い周波数帯を利用 |
| 最大通信速度 | 56kbps程度 | 64kbps | 下り50Mbps程度 |
| 通話との同時利用 | 原則不可 | 可能(1回線を通話に使用) | 可能 |
| 主な特徴 | 接続するたびに電話をかける方式 | 音声とデータをデジタル通信で扱う | 高速な通信と常時接続に対応 |
ダイヤルアップ接続やISDNと比較すると、ADSLは通信速度が大幅に向上していることがわかります。
これは、ADSLが音声通話に使われていない高い周波数帯をデータ通信に活用しているためです。また、音声通話とは異なる周波数帯を使用することで、電話とインターネットを同時に利用できるようになっています。
なお、ADSLはデータを受信する「下り」と送信する「上り」で通信速度が異なるため、「非対称デジタル加入者線」と呼ばれています。Webサイトの閲覧などで使う下りの通信速度を重視した設計が特徴です。
光回線の普及と設備の老朽化によってADSLのサービスが終了
ADSLのサービスが終了した主な理由は、光回線の普及による利用者の減少です。
ADSLが普及した当時は、既存の電話回線を使って高速なインターネットを利用できることが大きなメリットでした。しかし、その後はADSLよりも高速で安定した通信ができる光回線が広まり、ADSLの利用者は徐々に減少していきました。
また、ADSLで使用する通信設備の老朽化も進み、設備の維持や保守が難しくなったことも、サービス終了の理由の1つです。
こうした背景から、NTT東日本は2025年1月31日、NTT西日本は2026年1月31日に「フレッツ・ADSL」の提供をすべて終了しました。
ADSLは光回線より速い?違いを比較
ADSLと光回線は、どちらも自宅でインターネットを利用するための固定回線ですが、通信方式や性能などに違いがあります。
通信速度や安定性では光回線が優れている一方、ADSLは既存の電話回線を利用できるため、導入しやすいという特徴がありました。
ここでは、ADSLと光回線の違いを、通信速度・安定性、導入のしやすさの観点から比較します。
通信速度・安定性は光回線のほうが優れている
ADSLと光回線の大きな違いは、通信速度と安定性です。それぞれの特徴を比較すると、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | ADSL | 光回線 |
|---|---|---|
| 使用する回線 | 電話回線(銅線) | 光ファイバー |
| 最大通信速度 | 下り50Mbps程度 | 1~10Gbps(サービスによって異なる) |
| 通信の安定性 | 距離やノイズの影響を受けやすい | 距離や電気的なノイズの影響を受けにくい |
| 通信速度に影響する主な要因 | 電話局からの距離、回線の状態、ノイズ | 回線の混雑状況、接続機器、利用環境 |
ADSLの最大通信速度は下り50Mbps程度でしたが、一般的な光回線では最大通信速度が1Gbpsのサービスが広く提供されており、中には10Gbpsに対応したプランもあります。
また、ADSLは電話局から自宅までの距離が長くなるほど、通信速度が低下しやすい特徴があります。電話回線の状態や周囲の電気的なノイズによっても、通信品質が左右されます。
一方、光回線は光ファイバーを利用するため、距離や電気的なノイズの影響を受けにくく、安定した通信が可能です。
ただし、光回線も利用環境や回線の混雑状況によって通信速度が変動するため、最大通信速度が常に出るわけではありません。
ADSLは既存の電話線を利用できるため導入しやすかった
ADSLと光回線は、どちらも利用開始時に工事が必要になる場合があります。具体的な工事内容には、以下のような違いがあります。
| 比較項目 | ADSL | 光回線 |
|---|---|---|
| 主な工事内容 | 電話局内でADSL用の通信機器に回線を接続 | 光ファイバーの引き込みや宅内設備の設置 |
| 自宅への回線引き込み | 既存の電話回線があれば原則不要 | 光回線の設備がなければ必要 |
| 自宅での作業 | ADSLモデムなどの接続 | 光コンセントやONUなどの設置・接続 |
| 工事の立ち会い | 局内工事のみなら不要 | 訪問工事がある場合は原則必要 |
- ※実際の工事内容は、建物や設備の状況によって異なります。
ADSLは、すでに自宅に電話回線があれば、新たな回線の引き込み工事をせずに利用できるケースがありました。電話局内での工事だけで済む場合は、利用者の立ち会いも不要でした。
一方、光回線は、建物に設備が導入されていない場合、新たに光ファイバーを引き込む工事が必要です。ただし、すでに設備が整っていれば、作業員が訪問せずに開通できるケースもあります。
当時は、すでに電話回線が引き込まれている建物が多かったため、自宅での工事や立ち会いを必要とせずに利用できるケースが多く、ADSLは比較的導入しやすいインターネット回線でした。
ADSLの代わりになるインターネット回線
ADSLの主要サービスはすでに終了していますが、現在は光回線やホームルータ、モバイルWi-Fiなど、さまざまなインターネット回線を利用できます。
それぞれ通信速度や安定性、開通工事の有無、利用できる場所などが異なります。主な違いは、以下のとおりです。
| 比較項目 | 光回線 | ホームルータ | モバイルWi-Fi |
|---|---|---|---|
| 通信速度 | 高速 | 利用環境によって変動 | 利用環境によって変動 |
| 通信の安定性 | 比較的高い | 電波状況に左右される | 電波状況に左右される |
| 開通工事 | 必要な場合がある | 不要 | 不要 |
| 利用場所 | 回線を導入した建物 | 電源がある場所(サービスによっては登録住所のみ) | 対応エリア内なら持ち運び可能 |
| おすすめの用途 | 動画視聴・オンラインゲーム・Web会議 | 工事が難しい自宅での利用 | 外出先でのインターネット利用 |
- ※実際の通信速度や安定性、利用条件は、契約するサービスや利用環境によって異なります。
インターネット回線を選ぶ際は、通信性能だけでなく、自宅で工事ができるか、外出先でも利用するかといった条件も確認することが大切です。
ここでは、ADSLの代わりになる3つのインターネット回線について、それぞれの特徴を紹介します。
速度と安定性を重視するなら光回線
通信速度と安定性を重視するなら、光回線がおすすめです。
光回線は、光ファイバーを利用したインターネットサービスです。ADSLと比較して高速かつ安定した通信が期待できます。
動画の高画質再生やオンラインゲーム、Web会議など、大容量のデータ通信を頻繁に行う家庭にも適しています。また、基本的にデータ通信量による月間の容量制限がないため、家族で複数の機器を同時に利用する場合にも便利です。
ただし、建物の設備状況によっては開通工事が必要です。利用を検討する際は、提供エリアや工事の可否、月額料金を確認しましょう。
開通工事なしで使いたいならホームルータ
開通工事をせずに自宅でインターネットを利用したい場合は、ホームルータがおすすめです。
ホームルータは、携帯電話と同じモバイル回線を利用してインターネットに接続する据え置き型の通信機器です。基本的に回線の引き込み工事が不要で、対応エリア内であれば、端末をコンセントに接続するだけで利用を開始できます。
光回線の工事が難しい集合住宅や、引越しを予定している方にも適しています。
ただし、無線通信を利用するため、建物の構造や設置場所、回線の混雑状況によって通信速度や安定性が変わります。また、サービスによっては一定期間内に大量のデータ通信を行うと速度が制限される場合があるため、契約前に利用条件を確認しましょう。
外出先でも使いたいならモバイルWi-Fi
自宅だけでなく外出先でもインターネットを利用したい場合は、モバイルWi-Fiがおすすめです。
モバイルWi-Fiは、携帯電話と同じモバイル回線を利用する持ち運び可能な通信機器です。開通工事が不要で、対応エリア内であれば、自宅やカフェ、出張先など、さまざまな場所でインターネットに接続できます。
スマートフォンやノートパソコンなど、複数の機器をWi-Fiで接続できるため、外出先で仕事をする方にも便利です。
ただし、光回線と比較すると、利用場所の電波状況や回線の混雑によって通信が不安定になる場合があります。また、バッテリーの充電が必要で、契約内容によってはデータ通信量に制限があるため、利用頻度や用途に合わせて選びましょう。
ADSLについてよくある質問
ここでは、ADSLのサービス終了後のインターネット利用や、代替回線の選び方など、よくある質問に回答します。
光回線が使えない建物でインターネットを利用するにはどうすればいいですか?
光回線が利用できない建物では、開通工事が不要なホームルータがおすすめです。
ホームルータは固定回線ではありませんが、一般的にモバイルWi-Fiよりもアンテナ性能が高く、自宅で安定した通信を利用しやすい傾向があります。
ただし、ホームルータは電波状況や回線の混雑によって通信速度が変動します。通信を安定させるためには、基地局からの電波を受信しやすい窓際や、床から離れた高い場所に設置するのが効果的です。
また、電子レンジなどの家電製品や金属製の棚は電波に影響するため、できるだけ離して設置しましょう。
電話回線だけでインターネットを利用できるサービスはありますか?
電話回線を使ってインターネットに接続する方法として、ダイヤルアップ接続があります。
ダイヤルアップ接続は、電話回線を通じてプロバイダのアクセスポイントに電話をかけ、インターネットに接続する方式です。
利用するには、対応する電話回線とモデム、プロバイダとの契約が必要です。パソコンにモデムを接続し、アクセスポイントの電話番号や接続情報を設定することで利用できます。
ただし、通信速度は最大56kbps程度と非常に遅く、一般的なアナログ回線では接続中に同じ回線で電話をかけたり、受けたりすることもできません。
そのため、これからインターネット回線を契約する場合は、光回線やホームルータなどを検討するのがおすすめです。
なるべく安く固定回線のインターネットを使う方法はありますか?
固定回線の通信費を抑えたい場合は、光回線の料金プランやキャンペーンを比較しましょう。
光回線の月額料金は、事業者や契約プラン、建物の種類によって異なります。一般的に戸建て向けよりも集合住宅向けのプランのほうが安いため、まずは自宅で利用できるサービスを確認することが大切です。
また、スマートフォンとのセット割引や、新規契約時のキャンペーンを活用することで、通信費を抑えられる場合もあります。
ただし、月額料金だけでなく、開通工事費や契約事務手数料、割引終了後の料金も確認し、長期的な総支払額で比較しましょう。
所有しているADSLモデムはどうすればいいですか?
ADSLモデムの処分方法は、購入したものか、通信事業者からレンタルしているものかによって異なります。
レンタル品の場合は、契約していた通信事業者の案内に従って返却してください。返却が必要な機器を自己判断で処分すると、機器の損害金などを請求される可能性があります。
自分で購入したADSLモデムは、基本的に自治体の分別ルールに従って処分できます。小型家電の回収対象になっている場合もあるため、自治体の案内を確認しましょう。
なお、ADSLモデムは光回線用のONUやホームルータの代わりには使用できません。
自宅で快適にインターネットを使うならAsahiNet 光
ADSLに代わるインターネット回線をお探しなら「AsahiNet 光」がおすすめです。
AsahiNet 光は、NTT東日本/西日本の光回線とASAHIネットのプロバイダサービスをセットで提供する光コラボレーションサービスです。回線とプロバイダの申し込みや支払い、サポートの窓口を一本化できるため、初めて光回線を契約する方にも適しています。
最大通信速度1Gbpsのサービスに加え、最大10GbpsのAsahiNet 光 クロスも用意しています。さらに、混雑の影響を受けにくいIPv6接続機能を追加料金なしで利用できるため、動画視聴やWeb会議なども快適に楽しめます。
ADSLの代替回線を検討している方は、ぜひAsahiNet 光をご検討ください。
工事不要で使うならASAHIネット WiMAX +5G
光回線の開通工事が難しい場合は「ASAHIネット WiMAX +5G」もおすすめです。
ASAHIネット WiMAX +5Gは、モバイル回線を利用したインターネット接続サービスです。自宅で利用するホームルータと、外出先にも持ち運べるモバイルルータから、用途に合わせて端末を選べます。
回線の引き込み工事が不要なため、光回線を導入できない建物にお住まいの方や、手軽にインターネットを使い始めたい方にも適しています。
ただし、利用場所の電波状況や回線の混雑状況によって通信速度が変動するため、契約前に提供エリアを確認しましょう。