次世代DVD(じせだいディーブイディー)とはDVDの次の世代の
光ディスクの総称である。通常は
HD DVDとBlu-ray Disc(BD)を指す。日本のメーカーを中心にアメリカの映画会社や
パソコン会社などが両陣営に分かれて規格争いを繰り広げ、かつてのベータマックス・
VHSによる家庭用VTRの規格競争を彷彿とさせていたが、東芝の
HD DVD事業終息に伴い事実上Blu-ray Discに規格統一が成された。
概要
DVDと共通する基本構造・用途を持ちながら、
デジタルハイビジョン映像の長時間収録が可能な大容量を実現した。登場の背景
- デジタルハイビジョン放送を収録・保存可能なほど大容量な媒体はテープメディアとハードディスクしか存在しなかったため、光ディスクの大容量化が望まれていた。
- ハイビジョン映像に対応する大画面・薄型テレビが一般家庭に普及するとの予測に基づき、映画企業などがハイビジョン映像を収録可能なビデオパッケージ規格を求めた。
- 既存のDVDソフトの市場は飽和状態となり成長が鈍化していることも背景にある。映画企業などはビデオパッケージ市場を活性化させる起爆剤として期待をかけ、次世代DVD規格の開発に熱心に参加してきた。
呼称
Blu-ray Discは
Blu-ray Disc Association(Blu-ray Disc Foundersより改称)により策定されており、
HD DVDはこれまでDVD規格を策定してきた
DVDフォーラムによって策定された。そのためDVDの後継規格は
HD DVDのみであり、Blu-ray Discは独自に開発が
行われているため厳密には
次世代DVDと呼ぶのは正しくない。しかしDVDが一般化されていることなどから、
HD DVDとBlu-ray Discを含めて
次世代DVDと呼ぶことがほとんどである。
次世代DVDのほか「新世代DVD」「高精細ビデオ
ディスク」などと呼ばれることもあり、これらの総称は全て正式なものではない。
HD DVD・Blu-ray Discの呼称がまだ消費者に浸透していないため日本のマスメディアではそれぞれの規格を支持している代表的な企業の名称を示し、「東芝陣営」「ソニー・パナソニック陣営」と併記されることも多い。
ソニーやパナソニックの広告戦略によって「ブルーレイ」は徐々に認知されつつあるが、
HD DVDはハードディスク(
HD)や従来のDVDと混同されやすく分かりにくいのではないかと言われる。2007年6月に発表された
次世代DVDに関するアンケート調査ではこのような誤解を持った回答者が多かったため、一部項目では
HD DVDに関する有効なデータが得られなかったという。
採用技術
Blu-ray Discと
HD DVDは本来互換性がないが、共通する技術が数多く使用されている。
ともに直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状で素材は主にプラスチックからなる。読み取りには波長405nmの青紫色のレーザーを用いている。なお
CDでは波長780nmの赤外線レーザー、DVDでは650nmの赤色レーザーを用いており、より波長の短いレーザーを用いることで高密度の読み取りを可能にしている。
いずれもビデオ規格では、多重化
フォーマットとして
MPEG-2トランスポート
ストリームが採用され、また、映像
コーデックとして
H.264/MPEG-4 AVCやVC-1が採用され、主に1920×1080ドットの映像が収録される。音声
コーデックには従来のDVDと同じ
ドルビーデジタル・DTS・
リニアPCM(ただしDVDよりも高い
ビットレートやマルチチャンネルの
PCMを収録可能)、さらに新世代の
コーデックとして
ドルビーデジタルプラス、ド
ルビーTrueHD、DTS-
HDが採用されている。
著作権保護技術はどちらも
AACS(Advanced Access Content System)を採用する。完全に
コピーを禁止しているわけではなく、マネージドコピー(著作権者が許可する範囲内でハードディスクなどに
コピーできる)に対応している。ただし、現在も
AACSは暫定的な
ライセンスでありマネージドコピーは使用できない。
消費者の反応
- 規格分裂は消費者にとって利益とならないため、規格争いが決着するまで購入を手控えている消費者が多いことが各種調査で指摘されていた。
- ハイビジョン映像に対応したテレビの普及と共に次世代DVDの需要も増えることが見込まれている。実際に2007年度の年末商戦では、規格争い中にもかかわらずBlu-rayレコーダーが販売シェアで2割、金額ベースで4割ほどを占めたとBCNにより発表された。