ニンテンドーDS(ニンテンドーディーエス、
Nintendo DS)は、任天堂が開発し2004年から世界各国で発売した携帯型ゲーム機。略称は「DS」、「
NDS」。希望小売価格は15,000円。
概要
画面を2つ持つことや、
タッチスクリーン、マイクによる音声入力などのユーザー
インターフェースを特徴とする。
"DS"という名前
"DS"とは"Dual Screen"の略で、折りたたみ式の本体の両側に「2つの
液晶画面を持っている」という意味がある。他にも任天堂幹部の発言によると、Double Screen、Developer Systemの意味もあるとされている。
開発コードは「Nitro」(ニトロ)。そのことから本体ならびに関連製品の品番には「NTR」が付けられている。当初「DS」はあくまで仮称とされていたが、後に正式名称となる。
デザイン
外見はかつての同社のゲーム機『ゲーム&ウオッチ マルチスクリーン』を彷彿とさせる。下側の
液晶画面は
タッチスクリーンになっている他、マイクが付き、ボタンも
ゲームボーイアドバンスと同様の物に加えXYボタンが追加されるなど、インターフェイス面で数多くの特徴を持つ。
互換性
ゲームボーイアドバンスの
CPUに使われている
ARM7TDMIをサブ
CPUとして搭載することで、
ゲームボーイアドバンス用ソフトとの互換性を実現しているものの、それまでの歴代
ゲームボーイシリーズにあった
Z80系のプロセッサは搭載していないため、
ゲームボーイ、
ゲームボーイカラー用のソフトは使用できない。そのため、
ゲームボーイアドバンスカートリッジスロットの内部には突起があり、
ゲームボーイカラー以前のカートリッジを物理的に挿入できない構造になっている。
また、
ゲームボーイアドバンスにあった通信コネクタが装備されていないため、
ゲームボーイアドバンス用ソフトの通信機能は使うことができない。同様に、
ゲームボーイアドバンス用の周辺機器も基本的には使用できない。DSのワイヤレス通信は
ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタとは通信の規格が異なるため、アドバンス用ソフトのワイヤレスプレイも不可能。
ライセンス商品では充電端子に接続する
ゲームボーイアドバンスSP用の
ACアダプタとヘッドホン変換プラグ、そして
ゲームボーイアドバンススロットに挿入する『PLAY-YAN micro』や『プレイやん』、『カードeリーダー(旧型)』のみが使用可能。DS Liteのみ『カードeリーダー+』も使用できるが、通信機能は使えない。
ニンテンドーDS本体には通常のヘッドホン端子があるので、
ニンテンドーDSでは
ACアダプタ用の端子に
ゲームボーイアドバンスSP用変換プラグを経由して接続したヘッドホンと併用することも可能。説明書でも本体にヘッドホンのプラグが上手く刺さらない場合は
ゲームボーイアドバンスSP用変換プラグを使用するように記載されている。また、変換プラグとDS本体のヘッドフォン端子に同時につないでも音はでるが、多少音量が小さくなる。
なお、後述の互換ハードでは
ACアダプタのプラグ形状が異なるため、その端子を用いる機器は使用不可である。
互換ハード
2006年(日本では3月2日)に
ニンテンドーDS Liteが発売された。一回り小型軽量化が図られ、
バックライトも4段階に輝度調整可能となった。性能や動作するソフトは従来のDSと変わらない。
ゲームボーイアドバンスに対する
ゲームボーイアドバンスSPと同様の位置付けである。顧客の需要が
ニンテンドーDS Liteに移
行し、生産ラインもそちらにシフトしたため、2006年夏ごろから
ニンテンドーDS本体の生産は
行われていない。
2008年11月1日には、シリーズ3代目となる
ニンテンドーDSiが日本で発売された。新たに2つのカメラや
SDメモリーカードスロットを搭載。
スピーカーの音質向上、無線通信機能の高速化など細かい点も強化された。新たに
フラッシュメモリが内蔵され、
ブラウザなどのツールやコンパクトなゲーム(
ニンテンドーDSiウェア)を本体に追加できるようになった。
GBAスロットが廃止され、
液晶画面のサイズが3インチから3.25インチに変更されたことから大きさ・重さも変わり、バッテリー持続時間が全体的に2 - 3割減となった。
ニンテンドーDSi専用ソフトも今後発売していく見通しとのこと。
特徴
ニンテンドーDSには次のような機能がある。
- ダブルスクリーン
- バックライト付きの26万色表示可能な3インチ液晶画面が2つ搭載されており、今までのゲームでは画面やモードを切り替えないと見ることができなかった情報を別の画面に表示できるなど、様々なことが可能となる。
- インタレース表示のため、表示内容(スクロールや点滅など)によっては縞模様が見えることがある。なお、DSiでは縞模様が見えないようになっている。
- タッチスクリーン
- 下の画面に抵抗膜方式透明アナログタッチスクリーン(タッチパネル)機能がついており、付属のタッチペンやタッチストラップ、指などで画面に直接触れることでの操作ができる。このタッチスクリーン自体にはTSC2046という温度センサーを内蔵しているが、ゲーム内容に利用されることはない。
- Wi-Fi・ネットワーク通信
- IEEE 802.11(公式発表では無印)対応の無線LANが内蔵されており、市販の無線LANアクセスポイント(接続にはIEEE 802.11bを使用)やニンテンドーWi-Fi USBコネクタを使用して、任天堂のニンテンドーWi-Fiコネクションが利用可能である。ただし、暗号化システムはWEPまでしか対応しておらず、AirSnortなどにより不正アクセスされる危険性がある。
- ワイヤレス通信
- 通信ケーブルやワイヤレスアタプタなどの周辺機器を使わずに多人数の通信プレイ「DSワイヤレスプレイ」が可能。またソフトによっては、ゲームボーイアドバンスと同様に、カートリッジ1つだけで遊ぶ「DSダウンロードプレイ」が可能。最高で通信可能な人数はソフトによって異なり、中でも『大合奏!バンドブラザーズ』は人数分の本体とソフトがあれば参加可能な人数は無制限となっている。対戦プレイの他、ピクトチャットという内蔵チャットでの通信も可能。また、すれちがい通信という通信機能も持っている。
- 音声認識
- DS本体に内蔵されたマイクによって、音声を発してゲームに反映させることも可能である。『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』では音声を使用するトレーニングが可能。『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』などはボイスチャットが可能。
- また、マイクに息を吹きかける時の音を拾って操作に取り入れているソフトもある。
- 時計機能
- ソフト交換型の任天堂の携帯ゲーム機としては初めて、時計機能を内蔵している。それまでカートリッジに搭載されていたRTC機能を省くことが可能となり、長期間の使用によるRTC用バッテリー切れによる時計機能の停止という不安要素が取り除かれた。
- 前回プレイ時からの経過時間や時刻などで異なったメッセージ表示を行うソフトがある。また、誕生日には開始アラーム音が高めの音になる。内蔵ソフトにはアラーム機能もあるが、ネオジオポケットシリーズのような指定時刻に自動的に電源ONを行う機能は無い。
- 設定保存機能
- 本体内にいくつかの設定データが保存されるようになっている。ユーザー名や誕生日、タッチ位置補正、ソフトの起動方法などのほか、上記のWi-Fiの設定も本体に保存され、一度設定すれば他のソフトを使った際も再設定の必要なく接続ができるようになる。ソフトによっては、ユーザー名や誕生日などの設定もゲーム内で活用される。
- パワーマネジメント機能
- 本体の開閉に連動した省電力機能が用意されていて、電源ONの状態でも本体を閉じるとバックライトが消灯する。ABXYボタンの中央にセンサーがあり、スピーカーの磁気で開閉を検知している。
- 本体開閉はソフトからも感知できるので、それに合わせて動作を休止することも可能。ただし、バックライト消灯以外の対応はソフト側に任されており、非対応の(本体を閉じても動き続ける)ものもある。また、本体開閉の感知を省電力以外の目的に用いるソフトも存在する。
- また、ソフトによってはプレイ中でもバックライトの消灯が可能。
- ダブルスロット
- DS専用ソフトとゲームボーイアドバンス(GBA)専用ソフトの2つのスロットがある。タイトルによってはGBA用ソフトが挿入されていることを認識して、DS用ソフト内のROMに記憶された特定のデータが使用できたり、DSソフトとGBAソフトとの間でデータのやりとりをしたりすることができる。
- なお、GBA用スロットに挿入するDS専用の周辺機器も存在する。データ追加やメモリ拡張のほか、『オシャレ魔女 ラブandベリー DSコレクション』のカードリーダーや、『ニンテンドーDSブラウザー』の拡張カートリッジのような、プレイに不可欠な周辺機器がソフトに付属している場合もある。
- DSでGBA用のソフトをプレイする際、上下どちらの画面に表示するかを選ぶことができる。GBA専用ソフトのスロットはゲームボーイアドバンスSP同様プレイヤーから見て本体手前側にあるため、『コロコロパズル ハッピィパネッチュ!』では特定のコマンドによりゲームボーイアドバンスSP用の設定にしておく必要がある。また、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』ではダブルスロット機能を使ってゲームボーイアドバンス用ポケットモンスターシリーズ(『ルビー・サファイア・エメラルド』・『ファイアレッド・リーフグリーン』)から『ダイヤモンド・パール・プラチナ』にポケモンを送ることも出来る。
- なお、ニンテンドーDSiはGBA専用スロットそのものが廃止されたため、ダブルスロットおよびGBA専用スロットを用いた周辺機器には対応していない。
仕様
ここでは
ニンテンドーDSの仕様を記載している。
ニンテンドーDS Liteの仕様は
ニンテンドーDS Lite#仕様・変更された点を、
ニンテンドーDSiの仕様は
ニンテンドーDSi#仕様を参照。
ゲームボーイシリーズとの関連
DSは
ゲームボーイアドバンス(以下
GBA)の「後継機」ではなく、ニンテンドーゲームキューブ、
GBAに次ぐ、任天堂の第3の柱をうたい、全く一から開発され、系図でも完全に一から立ち上がった全く新しいゲーム機である。ただし、後に
GBAの次世代機案から派生したものだということも明かしている。
だがDSが瞬く間に普及し、DSの後に発売された
ゲームボーイシリーズ最新機種
ゲームボーイミクロの売り上げも伸びず、任天堂を含む多くのメーカーはDSに注力する結果となった。また、2006年の
E3において「
GBAの後継機(新型
ゲームボーイ)はしばらく無い」との発表がされた。DS発売前より開発がすすめられていた『MOTHER3』『リズム天国』など、末期の
GBA用ソフトの店頭
POPなどでは、DSでも使用可能であることが表記されていたり、CMなどでも該当ソフトをDSでプレイしているシーンを挿入し、DSでもプレイ可能であることを示していた。
その後、2006年11月30日発売の『ファイナルファンタジーVIアドバンス』以後、日本において
ゲームボーイシリーズの新作ソフトは発売されていない。また日本以外での販売においても
GBAからDSへユーザーをシフトさせる旨を明確にしている。結果的に
ゲームボーイシリーズの市場は急速に縮小し、DSは実質上「新型
ゲームボーイ」「
GBAの後継機」のような形となった。現在、任天堂の携帯型ゲーム機市場は完全にDSに一本化されている。